うつの人には「頑張れ」しか言いません
- 2017年05月29日
こんにちは、マインドアーキテクチャ協会の大福です。
大人から子どもまで悩まされている「うつ」。しかし、一言にうつといってもその症状は様々であり、本人も周囲もその実態を捉えきれていないケースがほとんどだと思います。
そこで本日は、うつの人への接し方というテーマで、私のうつに対する見解をお話してみたいと思います。
まず世間では「うつの人に頑張れは禁句」という風潮がありますが、私の場合は逆。うつの人へはほぼ「頑張れ」しか言いません。この発言だけ聞くと語弊がありそうですが、そこには深い理由があります。
うつは気分の落ち込みなどネガティブな要素が表面化していますが、深堀りしていくと「現状を正確に把握できいないが、願望だけは非常に高い」という過度のポジティブな共通点があります。
分かりやすく言えば、100m10秒で走るアスリートが骨折して車椅子になり、同じタイムで走れず嘆いているという状態。「昔の自分に一瞬にして戻りたい」という高すぎる願望への強い敗北感がうつの正体です。
世間で言う「うつの人へ頑張れは禁句」というのは、骨折したアスリートに対して「頑張って走って!」という応援が良くないという意味。
相手と確固たる信頼関係を築いた上で現状整理して目標のハードルを下げてあげれば「頑張れ」の一言は、普通の人と同じようにうつの人にも力になります。
以前当協会に20年間家に引きこもっていた方がカウンセリングに来ました。例によって話を深堀りしてみると「来月から高い月給をもらえる仕事に就かなければ」と大きな願望を持っていました。
そこで私がまずその人に伝えたのは「体が20年寝たきりで筋肉も落ちているから、毎日家の階段を10往復しなさい」ということ。その一歩からスタートして数年、今では立派に社会生活を送っています。
うつに限った話ではありませんが、人は目標を噛み砕いて小さなことから一つずつクリアしていくことで「出来ない自分」を辞め、自らが思い描く未来に歩み出すことができます。
私はそう信じて、日々カウンセリングを行っています。